HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス-1型)の母乳の影響

HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス-1型)の病名説明


妊娠中に気を付けるべき感染症の一つ・HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス-1型)とは、老人期に起こるATL(成人T細胞白血病)の原因ウィルスとして、約30年前に発見されたものです。



人から人へ、白血球の中にあるTリンパ球という細胞に感染し、一度感染すると、生涯体内に居続けるという性質を持っています。




HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス-1型)に感染すると、ATLや、HAM(HTLV-1関連骨髄症)などの病気にかかることがあります。




ATLとは血液ガンの一種で、その多くは感染してから約40年~60年という、非常に長い潜伏期間を経て発病するという特徴があります。


HAMは、脊髄に慢性的な炎症が起こり、下半身の筋肉麻痺や下肢のつっぱり、しびれ、歩行困難、便秘などの症状が現れ、徐々に進行していきます。



HAMの発病年齢層は幅広く、15歳以下で発病する場合もあります。



HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス-1型)


HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス-1型)の感染者うち、女性は約2%、男性は約4~7%の人がこれらを発病する可能性があります。



割合としては、特に症状が現れることなく生涯を過ごす人の方が多いですが、もし発症すれば、厳しい闘病生活を送ることになります。




特に妊婦さんは、自身の体の健康のためにも、そして元気な赤ちゃんを産むためにも、きちんと検査や予防を行うことが重要です。




HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス-1型)の原因と対処法


HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス-1型)は、一度感染すると生涯ウィルスを持ち続ける感染症で、このウィルスを無症状で持続的に保有している感染者(キャリア)は現在日本に約100万人いると推定されています。



感染者(キャリア)のうち95%は生涯、このウィルスに関連する病気を発症する事はありませんが、残りの5%は、成人T細胞白血病(Tリンパ球)が腫瘍化する白血病、リンパ種やHTLV-1関連脊髄症と言って歩行障害や脊髄障害を引き起こす脊髄疾患が発症する場合があります。



HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス-1型)の感染の原因は、性交渉を介して男性から女性に罹患する場合(結婚2年後の感染率は20%であり、女性から男性への感染はごくまれ)と、持続感染している母親から母乳を介しての母子感染が原因の場合があり、その際の感染の確率は20%であると言われています。



以前は、輸血を介しての感染もありましたが、今はありません。



現在では妊婦健診で、HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス-1型)の抗体検査が行われていますので、妊娠中は、元気な赤ちゃんを産むためにも、必ず定められた健診を受ける事が大事です。



万一感染がわかった場合にも、母乳で移る病気なのでミルク育児にする等対処法が分かります。